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人と違うことをしろ

 久々にお会いしてきました。作家横溝正史氏の「八つ墓村」「犬神家の一族」等々金田一耕助シリーズの角川文庫の表紙絵を描かれた版画家杉本一文氏にです。一徳会で金田一耕助を演じ始めた時はイラストのインパクトは残ってても、作者である杉本氏の存在は全く知りませんでした(なんて失礼な)。それが、7年前に出会ってから急接近して今に至ってます。すごい方なのは皆さん一度は目にしてるくらい有名な作品を世に出してき続けてると思うので当たり前なんですが、66歳の今でもお茶目で元気なすっとぼけたおじさんなんです。こう言うのも恐れ多いんですが、杉本氏の個展があるごとに大好きなお酒を持って欠かさず足を運ぶのは当然であり、お中元、お歳暮も毎年贈るようにしています。一言で言えませんが金田一を真剣に取り組んできたから出会えさせてもらったと思うし、もちろん一徳会主宰の石井君のおかげでもあります。杉本氏のトークショーに彼直々にゲストに来てくれと依頼されるようになって、認めてもらった気になれたし、稲吉と呼んでた僕の名前を今日はしっかり太平と呼んでくれてました。
 今日は銀座のあるギャラリーで合同展覧会に出典中のとこを足を運んだら、たまたま本人がいらしてそのままお客さん数人とで呑みにいきました。これまでも、杉本氏の工房をのぞかせてもらいに行った時やら幾度もさしで呑みに連れてってもらったり、この偉大な方との心の距離はどんどん縮まってるようでうれしい限りでしたが、今日はまた色々杉本氏の昔の話をいっぱい聞けました。
 二十代、三十代はがむしゃらだったそうです。その中で今にいたるのは”人と違うことをする”ということだったそうです。納得の話でした。自分もそのスタンスで生きてきたつもりだけど、なにかしら邪魔者はいるわけでこれからも負けずに貫きたいとこです。
 今でこそ親しくさせてもらってるけど、ほんと杉本氏と自分がここまでのお付き合いをさせていただけてるのは”奇跡”です。思うのは、毎年数回はお墓参りに行ってる横溝先生からのプレゼントなのかな・・なんて。
 
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もう始まっている

 俳優山崎努さんの「俳優のノート」(文春文庫)読み終えました。シェイクスピアの『リア王』を舞台で演られたときの準備期間から稽古、そして小屋入り、本番から楽日までと山崎さんの毎日の日記を本にしたものでとてもリアルでした。山崎さんのプライベートが垣間みれたし、何より芝居の取り組み方そしてリア王という題材について解釈する過程がとても参考になりました。これからも何度もページを開くことでしょう。 
 さて、こちらの来年3月吉祥寺シアターでのティーファクトリー公演『荒野のリア』は2月から稽古が始まります。まだチラシもできてないし、台本ももちろん頂いてないのですが原作は松岡和子さんのシェイクスピア全集「リア王」(ちくま文庫)なので準備はできるわけです。そして配役も既に頂いてまして、まだ今は伏せておきますが自分の役をこの本で読み直してみると、その重要性というかやり甲斐に胸が膨らむばかりです。どこまで原作の台詞がはいるかわからないので、期待しすぎても危険なところですが間違いなく腕の見せ所がありそうです。役自体もひとくせもふたくせもある人物で、メインの方々と絡む大変な役を頂いたと今から興奮しております。
 なにかやっておかなければという僕なりの”ひらめき”でやっとある習い事も12月から行くことになりました。2月の稽古まで2ヶ月しかないけど得るものがあればと思ってます。共演者の方々もそれぞれですが、2月までに違う舞台やら映画やらの仕事をされてるでしょう。自分には情けないことに明確なものがない現時点・・。ただぼうっと来年を待ってるわけにはいかないのです。来年の2月に向けて今から戦える状態にこちらも気合いが入ってきました。山崎さんはもっと前から色々準備してたし。
 年末は世の中は例のごとくイベントに盛り上がるんでしょうが、今年も僕には全く無縁でしょう。あればあれで大歓迎なんですが(長年の願望)。これがリアル。

なんかさみしい

 今日は悲劇の日。長年カープファンをしてきましたが、エースの大竹投手があの巨人に入団決意してしまいました。本人の気持ちは地元関東でが強かったので、気持ちは分かるから責める気にはなれません。ただ、カープらしさを持ってた最後の選手だと思ってたので、カープを応援する意味がなくなった・・と言いたくなるくらいのショックです。ただ、水面下で黒田選手が帰ってくるのではと噂されてます。そこだけが今の望み。多分、巨人のユニフォームを着た大竹選手を僕は応援してるでしょう。
 先日、何年ぶりかで農大劇研の時からの親友緒方と浅草でじっくり呑んできました。彼はもう3児の父であり、仕事も順調のようで、明るい未来を築いてます。だからこそ、僕の今を不甲斐なく感じて色々説教というか現実というものを教えこまれました。親友だからあえて厳しいことを言ってくれました。”夢”だけみてる場合じゃないよと。一番響いたのは10年後に仕事を探そうとしてもないよということ。10年後・・僕は50歳・・・。何もありません、なんか絶句しました。”夢と現実”今すごく心に響いてます。人生は残酷にも流れている。動かないと動けなくなる。緒方ありがとう・・そして僕も君を応援している、感謝。
 寅さんや「幸せの黄色いハンカチ」の山田洋次監督の昔出した『映画をつくる』(大月書店)を古本屋で見つけて読んでみた。いい本にまた出会えたという感動です。人生観が間違ってなかったと思わさせられる、映画だけに限らないいい話満載でした。貴重な本を手に入れられてラッキーの一言です。古くても本物はいつまでたっても本物だということです。新しいものばかり見てもみんなと同じ考え、発見しかできない。名作はいつまでたっても色褪せないという意味は本物だからであり、本物の言葉は古くから残っている。それを発見するかしないかが問題だ。大切に持っていたい本です。

ムキは損

 高尾山行ってきました。人多過ぎ。人の脇をぬけてぬけて走りました。31分。久々だけど、全く落ちてません。30分の目標は達成できてないから日々精進。行く前に新国立劇場の横を歩いてたらふと、マンションとマンションの間から奇麗に富士山が見えたのです。初台から見えるポイントがあったとは!!その富士山を2時間後には高尾山の頂上から見てました。下山はいつも通り3号路からでしたが、行きとうってかわって人っけなし。みんな考えること一緒でかわいそうだな。たまにすれ違う登山者の中に女子二人組がいて挨拶を交わしたのですが、とても可愛かった。だからどうだといえば・・だが、女子二人だけって逆に気になります。カップルなら勝ってに楽しんでくださいなとなりますが、山は危ないから人っけない路だし、一緒に動向してあげたくなりましたが。下ごころ丸見えですかね。
 母ちゃんに湧き水をとってきてあげるのも目的でした。用意してきた2本の空の2リットルペットを満タンにして完了!と実家に帰る前に寄り道。電車から高尾駅付近で見えた解体途中のビルが見えた。その壊され具合がなんとも造ろうと思っても造れない見栄えでした。そこでまた気になってたので、高尾駅で降りて現場へ向かった。道路脇からだと見えづらい位置だったので、入り口に立ってた2人の暇してる誘導員に「中に入っていいか?」と尋ねた。片方の歯がなさげでしゃべりがおぼつかないおっさんが普通に断りをかけた。こちらは関係者でないから当然の事。そこを「迷惑かけない遠くから見るだけ」とねばると、おっさんは若い相棒に助けを求める情けなさ。相棒が即答でノーだったので諦めて、遠目で眺めて引き上げました。行きの京王線から帰りは中央線で帰りかけた電車の中からまたあのビルを違う角度からみることができました。と、そのとき気づいたのは、あの誘導員とのやりとりを失敗したなと。向こうもバイト。そこまで現場に対する執着はない。サングラスかけた変なおっさんがきたらそりゃ拒絶しますよね。サングラス外すのと、直接的に行くのでなく中央線の方から見えたポイントがあるのだから、見えるとこを教えてもらう方向で持ってくことができたのにと。おっさんの態度にムキになってた自分が甘かった。またひとつ気づきました。ムキになったら損だ。

ドラマは自分でつくる

 モヤモヤしてましたが、やっと更なる行動にでます。人間の心は生き物です。すぐに落ちたり上がったりで。落ちるということはまた上がるために考えてるみたいで、その結論がまさに出ました。既に決まってる来年3月の吉祥寺シアターでの舞台「荒野のリア」にやはり心は向いてました。まだ稽古まで約3ヶ月あります。この間に準備しとくことが僕には或る気がしてまして。メインの役ではありませんが、男9人だけでやるリア王です。一人一人が重要です。
 準備・・具体的にこれをしとけと言われてるわけではありません。ただ、この猶予期間が試されてる気がするんです。だから、以前から習いたいと思ってた習い事があったのですが、今だなと。まだそれは言いません。しっかり始めたら・・というか言う必要もないんですが。自分の苦手分野を克服するのも大事。ジャズダンスも日舞も殺陣も長い期間習ってきましたがうまくなれたわけではないし、ひとつのことを得るにはもっと続けなければいけないのですが、うまい人にはかなわないのだし、それを求めたら死ぬまでかかるかも。だったら、色々な事をやっといて引き出しを増やすことが僕の生き方。動かないと始まらないから。
 一人芝居もやめたわけではありません。脳はそちらも考えてるんです。傑作となるヒントを。そのときが来るのを待ってるだけです。

癒しはやっぱり山

 やっぱり出掛けてきました。なんもしないと休みの日ってあっという間に終わるんで、奥多摩行ってきました。恒例の愛宕山入り口の急傾斜階段登ってきました。山の中で角度80度の階段なんです。それも188段。手すりがあるのですが、使わないと後ろに持ってかれます。この階段の上に五重塔と神社があるので、いつもお参りしてきます。
 今日はたっぷり時間あったので奥多摩湖まで行きました。バスで奥多摩駅から15分なんで歩いてもチョロいなと意気込んでいったら、約9キロ通常4時間かかる大変な距離でした。僕の足で結局2時間かけて辿り着いた頃はもう夕暮れでした。そこまでの道のりはしかし素晴らしかった。ひたすら川沿いの舗装された道を歩きました。どんどん山奥へ。途中何度も吊り橋やら、大橋やらではるか真下の川を眺めたりしながら、足をすくめる思いをしたりしてひとりアドレナリン出しまくってました。高所恐怖症なのにやっぱりホラー映画が好きなのと一緒で怖いもの見たさがあるんです。普通の日だからか、道中地元の人に出くわすくらいで全く人がいず川の音と自分の歩く振動音だけの邪魔物がない世界でした。奥多摩湖は小河内ダムでもあるんですが、壮大さにまた足がすくんでしまいました。人間の造ったものとはいえ、当時のその苦労は計り知れないなと。
 流石に帰りはバスで帰り、高校の山岳部時代によくお世話になった氷川キャンプ場により、河原で缶ビールを一本飲んでたたずみました。この贅沢さを誰かに教えたい!!ひとりだからできる特権ですが。飲み終わる頃には完全に日も暮れたので、駅に向かいました。
 奥多摩は本当にいいとこです。仲間とロッジでも宿でもいいから一泊して、温泉行ったり酒飲んだり、河原で話したり・・次は是非そうしたい。
 今回山歩きしてる最中ずっと右手に俳優山崎努さんの「俳優のノート」という小説を持ってました。山崎さんがリア王の舞台が決まって公演までの日記を綴ったものです。なぜ、山歩き中なのか、なぜこの本なのか?実は来年僕もリア王の舞台に出ます。すごい方々と。僕自身シェイクスピアは芝居人生15年になりますが初めてです。この本がもう手離せないほど、意識しはじめてるんです。詳細は追々。
 帰りにひとりで飲み屋行こうと計画してましたが、奥多摩だけで今日は十分堪能したのでおとなしく帰りました。なんか最近、Facebookとかで出掛けてること言っちゃうと空き巣に狙われるみたいなんで皆さん気をつけて。
プロフィール

agotonio

Author:agotonio
1973年、埼玉浦和生まれ、AB型。
故俳優蟹江敬三氏を追い続けている。イッセー尾形氏のひとり芝居にあこがれ農大劇研で芝居を始めた。トムプロジェクトの養成所に入り、人生の指針が動きだした。
新日本プロレスをこよなく愛す。
俳優。

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