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ひとり呑み

 よくゴールデン街に呑みにいった時期があった。お金に余裕がないとなかなか行けないとこだ。あとは心が寂しい時はひとりいきたくなっていた。初台の近所でひとり呑み行けるとこはないかと色々さがしてたとき、参宮橋に向かう住宅地の中に一軒さびれた呑みやがあった。店の前に赤い看板で『道』と人文字はいっている。まるで猪木ワールドだ。看板に惹かれはいると闘魂的なものは一切なく、高齢のおばちゃんがカウンターのなかにいるだけの普通の小さな呑みや。夕方から行くも呑めど呑めどお客は来ず、カウンターのよこにあるテレビを二人でみながらたわいもない話をしてたら、仲良くなり通うようになった。おばちゃん曰くオダギリジョーもきたという店にしては、いたって普通の店。お客があまりいないから逆に行きたくなる。酔っぱらって夜中に店の前を通った時におばちゃんが店を閉めようとしてたのだが「一杯なら入っていいよ」と言ってくれた時は”あ、これだ!”と感激したもんだ。そんな日々が2年前のことで、今年に入り何度か店の前を通ってもやってる気配がない。今日通ったら、店の前に冷蔵庫やら古くなった家電が置いてあり。人を歓迎する体制とは程遠い状態になっていた。もう営業はしてないみたいだ。またひとつ思いでの店がなくなった。好きな人がいたら連れて行ってあげたかった店がいくつもあるのだが未だに実現しないまま僕だけの思い出の店がひとつ増えた今日でした。
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プロフィール

agotonio

Author:agotonio
1973年、埼玉浦和生まれ、AB型。
故俳優蟹江敬三氏を追い続けている。イッセー尾形氏のひとり芝居にあこがれ農大劇研で芝居を始めた。トムプロジェクトの養成所に入り、人生の指針が動きだした。
新日本プロレスをこよなく愛す。
俳優。

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